Kaimin Labo

お問い合わせ
 
カート

2023.10.02

メラトニンを増やして熟睡する5つの方法

【第39回】メラトニンを増やして熟睡する5つの方法

メラトニンは体温や血圧を下げて睡眠へと導く働きがあり、通称「睡眠ホルモン」と呼ばれています。メラトニン分泌量のピークは10代で、その後急激に低下し、50代以降では10代のときの10分の1以下になってしまいます。年を重ねるほど、メラトニンをしっかり分泌するための生活を心がけましょう。

1.起床後すぐ太陽光を浴びる

メラトニンは起床後14~16時間後から分泌が始まり、そこから1~2時間すると眠るという仕組みになっています。そこで、朝起きたらカーテンを開けて、目に明るい光を取り込みましょう。これにより、体内時計のスイッチが入ります。
太陽を直視する必要はなく、青空を見上げるだけで十分です。時間は1分程度、晴天の強い光なら15秒でも効果があります。

2.日中に合計30分以上太陽光を浴びる

メラトニンの原料は「セロトニン」という神経伝達物質です。セロトニンは気持ちを明るくしたり、やる気を高める物質で、太陽光を浴びると分泌が高まります。午後2時頃までに30分以上、太陽光を浴びましょう。1時間でも、2時間でも、浴びれば浴びるほど効果があります。
日陰でも直射日光に近い場所なら十分な光量がありますから、日傘をさしていても大丈夫です。

3.夜は部屋を暗くする

夕日の時間になったら暖色系の照明に切り替えて、就寝2時間前からは照度も落としましょう。夜暗くなると、セロトニンがメラトニンに変わって脳内で分泌が始まるので、就寝前に過ごす部屋は30ルクス以下になるように調整してください。スマートフォンの照度計アプリで、簡単に計測することができます。

4.寝室の照明は全部消す

豆電球程度の明るさでも睡眠が浅くなって、肥満やうつ病のリスクが高まることがわかっています。寝室はできるだけ暗くすると、メラトニン分泌が促され、熟睡することができます。
ただし暗闇だと不安感が強くなって、睡眠が浅くなることがわかっています。通常はカーテン越しに少し光が入ったり、家電製品の小さなランプで暗闇になることはありません。

5.たんぱく質をとる

たんぱく質に含まれる「トリプトファン」という成分は、セロトニンの原料になります。大豆製品、卵、赤身の魚・肉、ごま、クルミなどに多く含まれています。
トリプトファンを消化吸収するためにはビタミンB6が必要で、セロトニンを脳内に取り込むためには炭水化物が必要です。バランスよい食事を心がけましょう。
メラトニン分泌の鍵は光のコントロールです。
朝は明るく、夜は暗くすることを心がけましょう。

三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)

寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。主な著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は100万部を突破。https://sleepeace.com/