2022.10.03
ひどいイビキに注意!~睡眠時無呼吸症候群~
【第27回】ひどいイビキに注意!~睡眠時無呼吸症候群~
イビキはぐっすり眠っている証拠、そう思っていませんか?イビキは気道が狭くなって起こる現象です。体内に取り込む酸素量が減るので、睡眠の質が低下します。
とくに気をつけたいのは、睡眠中に呼吸が止まってしまうこと。10秒以上の呼吸停止が一晩に30回以上、または1時間あたり5回以上ある場合は、睡眠時無呼吸症候群と考えられます。
<睡眠時無呼吸症候群チェック>
□ 毎晩大きなイビキをかく
□ 夜中に何度もトイレに起きる
□ 何時間寝ても疲れが取れない
□ 起床時に喉の渇きや頭痛がある
□ 日中、強い眠気や倦怠感がある
軽いイビキなら枕の高さを合わせることで改善されることが多いですが、睡眠中に呼吸が止まる場合は、横向きかうつぶせの姿勢がお勧めです。仰向けは舌根が喉に落ち込んで気道をふさぎやすく、イビキをかきやすいからです。
抱き枕をプラスして横向きで長時間寝やすいようにしたり、仰向けで寝られないように背枕を使うのもよいでしょう。
イビキをかく原因は肥満で気道が狭くなる以外に、アゴが小さいという骨格的な問題、鼻づまり、口呼吸、お酒、タバコなどがあります。睡眠時無呼吸症候群は、50代以降の女性にも多い病気です。女性ホルモンの低下によって、筋肉のハリがなくなり気道が狭くなるからです。
イビキをかいていなくても、脳から呼吸の指令が出ないために起こる睡眠時無呼吸症候群もあります。治療をすると日中のQOLがグンと上がるので、チェックリストに該当する項目が多ければ、専門機関で検査することをお勧めします。「睡眠時無呼吸 クリニック」で検索してみてください。
気分が落ち込みや、何をしても楽しめない、食欲がない、疲れやすいといったうつ症状があった人が、睡眠時無呼吸症候群の治療をしたら症状が改善して、仕事に集中できるようになったと喜んでいました。
睡眠時無呼吸症候群は、特殊な病気ではありません。早めの治療でQOLを高めましょう。
三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな合う枕がわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。主な著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)はシリーズ累計115万部を突破した。https://sleepeace.com/