2023.12.04
睡眠で風邪予防!2つの秘訣
【第41回】睡眠で風邪予防!2つの秘訣
最近、朝晩の寒さが厳しくなってきた。 風邪を引かないための対策は、とっていますか? 睡眠に関するポイントは2つあるので紹介します。
1. 睡眠時間をしっかりとる(7時間以上)
カリフォルニア大学の研究で、睡眠時間と風邪ウイルス感染率を調べた実験があります。風邪ウイルスを点鼻剤で投与した結果、それまの睡眠時間が7時間以上だった人と比べて、6時間未満だった人は4.2倍の確率で感染しました。5時間未満だった人は4.5倍でした。
睡眠によって免疫機能は正常に保たれますが、睡眠不足によって免疫の働きが低下した結果といえます。
7時間以上なら何時間でもよいかといえば、そうではありません。必要な睡眠時間は人によって違うからです。それが働き世代は7~8時間に当てはまる人が多いということ。睡眠時間と日中の体調の関係と観察しながら最適な睡眠時間をみつけ、それを確保するように心がけましょう。
2. 暖かい部屋で眠る(18℃以上)
寒い部屋で厚着で寝たり、寝具をたくさん掛けて寝ていませんか? 産業医科大学の研究で、寝室で使用していない子どもに比べて、暖房を使用している子どもは、風邪を引くリスクが約77%減少することがわかりました。インフルエンザにかかるリスクは約45%減少しました。これは、寝ている時に吸い込む空気が冷たいことで、免疫力が低下すると考えられます。
WHO(世界保健機関)でも最低室温は18℃以上を強く勧告しており、健康と居室の温かさは密接な関係があります。慶應義塾大学の研究では、暖かい家では入眠がスムーズで、熟睡時間がのび、逆に寒い家では夜間の頻尿リスクが上昇すると報告されています。暖房と加湿器をつけて、眠るようにしましょう。
暖房をつけて寝ると、電気代がもったいないと思う人もいるかもしれません。でも、寒い部屋で眠ることで、睡眠の質が下がってパフォーマンスが落ちたり、風邪をひいて体調を崩すのと、どちらがもったいないでしょうか。自分によってどちらが重要なのかよく考えて、最適な選択をなさってください。
三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。主な著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は100万部を突破。https://sleepeace.com/