2021.10.01
疲れがとれない原因は、ソーシャル・ジェットラグ?
【第16回】疲れがとれない原因は、ソーシャル・ジェットラグ?
「週末にたっぷり寝たはずなのに疲れが取れない」
「朝なかなか起きられない」
「日中に体がだるい、集中できない」
そんな場合は、ソーシャル・ジェットラグが原因かもしれません。
ソーシャル・ジェットラグとは、「社会的時差ぼけ」という意味。
日本国内にいながらにして、不規則な生活や、週末の寝だめ、交代勤務によって、
時差ぼけ状態を作り出すことです。
昼間ぼんやりしたり、いつも疲れている、胃腸の調子が悪い、夜ぐっすり眠れないなど、
時差ぼけと同様のダメージがあります。
めったに行かない海外旅行と違って、ソーシャル・ジェットラグは頻繁に起こります。
長期化すると、うつ病、心疾患、糖尿病、肥満などのリスクも高まるので、注意しましょう。
ソーシャル・ジェットラグは、就寝と起床の中間時刻のズレで測ります。
例えば、平日は深夜0時に寝て、朝6時に起きていたとしたら、睡眠中央時刻は午前3時です。
週末に午前2時に寝て、10時に起きていたとしたら、睡眠中央時刻は午前6時半です。
中央時刻の差は実に3時間半にもなり、これは毎週末インドに行くようなもの。
体調が悪くなるのもイメージできると思います。
平日の睡眠不足を補うのは、早寝遅起きがおすすめです。
午後11時に寝て、午前7時に起きたら、睡眠中央時刻は平日と同じ午前3時。
体内時計への影響を最小限に、睡眠時間を2時間増やせます。
平日・休日とも睡眠リズムを変えないことが一番なので、
まず平日の睡眠時間を30分でも増やすことを心がけてみてください。
リモートワークで通勤時間が減ったことで、
睡眠時間が長くとれるようになった人も多いと思います。
ただ、定刻に出社するという規制がないため、夜型になっていませんか?
睡眠は量(時間)と質(深さ)、リズム(規則性)が重要です。
睡眠リズムの乱れを気にしない人が多いのですが、その健康被害は多岐に渡ります。
睡眠中央時刻を意識しながら、質の高い眠りを目指しましょう。
三橋 美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)
寝具メーカーの研究開発部長を経て、2003年に独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな合う枕がわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。主な著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)はシリーズ累計115万部を突破した。https://sleepeace.com/